続いては、経済から順に書いていきます。
●経済について
詳細は「アメリカ合衆国の経済」を参照
経済規模は 国内総生産(GDP)で世界第1位である。しかし、1人当たりのGDPに換算すると、世界第4位である。大きな経済規模を持ち、その技術開発力と生産力、消費力で世界経済を引っ張る存在である反面、アメリカ文化が資本主義社会の基本である「大量生産・大量消費」の側面を強く持っており、他の先進国と比べても1人当たりの資源消費量が格段に大きいこともあり、「地球環境問題や健康問題の深刻化をもたらした」などと批判されることも多い。アメリカの環境問題と環境状況と環境政策と歴史についてはアメリカの環境と環境政策を参照。
自動車や航空機、コンピュータなど主な工業品の生産、販売数で長年世界一を保っており、その消費量の多さのため世界中の企業が進出している。また、これらの企業が上場するニューヨーク証券取引所は世界最大の取引高を誇っている。その為世界経済に与える影響力は非常に大きいものがある。アメリカの経済問題と経済状況と経済政策と歴史についてはアメリカの経済と経済政策を参照。
軍需産業や重工業だけでなく、小売やサービス業に至るまで多くの大企業が軍を大きな顧客とするという誤認により、軍産複合体の影響力が諸外国への頻繁な軍事介入の理由だと、検証可能性を示さない解説が広く流布されているが、現実は、2008年時点のアメリカ合衆国の人口3億1400万人に対して軍人は140万人であり、軍は大口顧客でも主要な顧客でもない。現代においては大規模で長期間の戦争が起これば、一時的には軍需産業への葉中が増えるが、軍事介入の規模が大きく期間が長いほど国家財政の負担になるので、長期的には軍需産業の利益にも国家や社会全体の利益にもならないことは過去の戦争時の経済や財政の統計により実証されている。アメリカ合衆国の軍需産業・軍需経済・軍事政策の関連性と歴史と国の経済に対する比率や影響力についてはアメリカの軍需経済と軍事政策を参照。
訴訟社会としても知られ、国内に弁護士が約90万人もおり、人口比では日本の25倍になる。アメリカ人自身からも行き過ぎによる弊害がたびたび指摘され、いわゆるマクドナルド・コーヒー事件はその代表例として有名になった。これは国民が多文化・多宗教の混合であるため、共通する価値判断基準が法律以外にないからだという意見がある。日本では制限されている弁護士の宣伝広告活動が認められていることから、弁護士本人が出演するCMがテレビで放送されることもある。営業活動に熱心な弁護士を揶揄するアンビュランス・チェイサー(なにかの事故で負傷者が出ると、搬送先の病院で賠償請求訴訟を起こすよう勧めるため救急車を追いかける弁護士の意)というスラングがある。
1981年に大統領となったレーガンは、インフレの抑制、減税による投資促進、規制緩和の促進などにより、経済の供給サイドの強化を図る「レーガノミックス」を行った。インフレ抑制は前政権から続いていたマネーサプライに照準を合わせた金融政策により成果をあげたものの、国防費の増大と大幅減税により財政収支が悪化、また高金利からドルレートが上昇し、経常収支の赤字が拡大した(双子の赤字)。金融が緩和する過程で株価は上昇をはじめM&Aがブームとなったが、ブラックマンデーにより株高経済は一旦調整した。
1990年代は、日本の経済が長期低迷に陥り、「失われた10年」と呼ばれたのとは対照的に、アメリカ経済は非常に良好なパフォーマンスを示すようになり、「ニューエコノミー」と呼ばれた。低インフレと高成長を両立し、労働生産性も上昇したことから、アメリカ経済は新たな局面に入った、と言われた。1991年3月の景気の谷の後、2001年3月まで10年にわたって景気拡大を続け、世界経済の牽引役となった。
2000年代の初期に入ると、ITバブルの崩壊によって、好調だったアメリカ経済は減速する。2001年9月11日には同時多発テロが発生し、アメリカ経済の減速に拍車をかけた。1980年代から続いている資産膨張を背景にした消費増大はアメリカ経済の根幹となり2007年夏頃まで安定した成長を続けていたが、サブプライムローン問題を発端に、不動産価格の下落から深刻な世界金融危機が起きている。
●国民
アメリカ合衆国は元々先住民族であるネイティブ・アメリカンが住んでいた土地に、16世紀からはヨーロッパからの植民者が、17〜19世紀には奴隷貿易によりアフリカからの黒人奴隷が、19世紀からはアジアからの移民が入って来て、さらに人種間で混血が起ったため、「人種のるつぼ」と呼ばれてきたが、実際には異人種が融け合って生活する社会が形成されるよりも、「ゲットー」と称されるアフリカ系アメリカ人居住地域やチャイナタウンが代表するように、むしろ人種による住み分けが起きていることから、近年ではアメリカ合衆国を色々な野菜が入ったサラダに例えて「人種のサラダボウル」と呼ぶことが多くなった。
こうした中で人種差別問題、特にヘイトクライムと呼ばれる人種差別主義者による凶悪犯罪が頻繁に発生し、大きな社会問題となっている他、南部や中西部を中心にKKKなどの人種差別的な団体が未だ半ば公然と活動している地域も存在する。また、アフリカ系の死刑執行率がヨーロッパ系に比べて極端に高いなど、裁判制度の不公平性も問題となっている。
現在も合法違法を問わず移民が多いことに加え、アメリカの合計特殊出生率は2.0〜2.1前後で横ばいに推移しており非常に安定している。2005年度の合計特殊出生率は2.05と先進国の中ではトップクラスである(移民層の出生率が2.71と高いが、アメリカ合衆国で生まれた女性の出生率も1.98、白人女性に限っても1.85と先進国の中では高い)。以上のことから、人口は自然増、社会増双方の要因により増加し続けている。2006年には総人口が3億人を超えたと公式に発表された。
★人種
世界でも有数の多民族国家である。2005年の人口統計によると、白人(ヨーロッパ系、北アフリカ系、中東系、中央アジア系、ラテン系)74.7%(2億1530万人)、サハラ以南のアフリカ系(黒人)12.1%(3490万人)、アジア系(東アジア、東南アジア、南アジア系)4.3%(1250万人)、アメリカン・インディアン0.8%(240万人)、太平洋地域の先住民系0.1%(40万人)、2つ以上の人種を祖先とする国民1.9%(560万人)、その他6%(1730万人)。ヒスパニック系(全ての人種)は14.5%(4190万人)となっている。
アメリカは英語圏であるためにイギリス系が多いと思われがちだが一番多いのはドイツ系でその次はアイルランド系である。歴代大統領にはイギリス系以外にアイルランド系やドイツ系とオランダ系とギリシャ系が就任しており、そして2009年時点の現職はアフリカ系である。
アメリカにおける各人種系統ごとの人口(2004年)
順位 系統 人口
1 ドイツ系アメリカ人 42,800,000
2 アイルランド系アメリカ人 30,520,000
3 イギリス系アメリカ人 24,510,000
4 アメリカ人 20,190,000
5 メキシコ系アメリカ人 18,380,000
6 イタリア系アメリカ人 15,640,000
7 ポーランド系アメリカ人 8,980,000
8 フランス系アメリカ人 8,310,000
9 インディアン 7,880,000
10 スコットランド系アメリカ人 4,320,000
11 オランダ系アメリカ人 4,540,000
12 ノルウェー系アメリカ人 4,480,000
13 スコットランド系アイルランド人 4,320,000
14 スウェーデン系アメリカ人 4,000,000
15 白人 3,830,000
16 プエルトリコ系アメリカ人 2,650,000
17 ロシア系アメリカ人 2,650,000
18 ヒスパニック系アメリカ人 2,450,000
19 フランス系カナダ人 2,350,000
順位 系統 人口
20 中国系アメリカ人 2,270,000
21 スペイン系アメリカ人 2,190,000
22 フィリピン系アメリカ人 2,120,000
23 ヨーロッパ系アメリカ人 1,970,000
24 ウェールズ系アメリカ人 1,750,000
25 アジア系インディアン 1,550,000
26 デンマーク系アメリカ人 1,430,000
27 ハンガリー系アメリカ人 1,400,000
28 チェコ系アメリカ人 1,260,000
29 韓国系アメリカ人 1,190,000
30 アフリカ人 1,180,000
31 ポルトガル系アメリカ人 1,170,000
32 ギリシャ系アメリカ人 1,150,000
33 日系アメリカ人 1,100,000
34 キューバ系アメリカ人 1,100,000
35 英国人 1,090,000
36 ベトナム系アメリカ人 1,030,000
37 スイス系アメリカ人 910,000
38 ドミニカ系アメリカ人 910,000
言語
主記事:Languages of the United States
アメリカ合衆国には法で定められた公用語はないが、建国の歴史から英語が事実上の国語となっている。2003年には、約2億1500万人(5歳以上の全国民の82%)が家庭で英語のみを使用している[21]。 英語を母語としない国民でもほとんどが英語を日常的に使用している。高齢者を除き、基本的な英語の知識は市民権取得の必須条件である。スペイン語の話者は英語についで多く、国内でもっとも学習者の多い外国語でもある。。 近年増加傾向にある中南米スペイン語諸国からの移民であるヒスパニックには、英語を不自由なく喋ることのできない者も多いため、銀行のATMやスーパーマーケットのセルフレジなどではスペイン語が選択できるようになっているものも多い。長年にわたる先住民の同化政策の結果、先住民の言語を話せる人口は非常に少なくなっており、中には絶滅した言語もある。
アメリカ人の中には英語を連邦の正式な公用語とすることを希望する者が多く、現在30州が英語を公用語に指定している[24]。また、ニューメキシコ、ルイジアナ、メイン、ハワイの4州では行政上英語以外の言語が事実上の第二言語とされている。ハワイ州では州憲法によりハワイ語が公用語とされており、ルイジアナ州とメイン州ではフランス語が行政上の第二言語である。合衆国加入当時からスペイン(メキシコ)系住民の多いニューメキシコ州は常にスペイン語を非公式な第二公用語としてきた 。
★宗教
プロテスタント58%、カトリック21%、など(2003年現在)。キリスト教信仰者の比率は、1990年調査時の86.2%から2003年調査時の79%へと年々減少傾向にある。2001年の宗教分布は、プロテスタント 52%、カトリック 24.5%、ユダヤ教 1.3%、その他、イスラム教、仏教、不可知論、無神論、ヒンドゥー教、ユニテリアン (Unitarian Universalist) がそれぞれ0.5%から0.3%である。無宗教は13.2%。なお、アメリカ合衆国の現代キリスト教も参照。
米国憲法修正条項第1条は国教の制定を禁じている。しかし、大統領就任式の際に聖書を手に宣誓を行うなど(これまでの大統領が全てキリスト教徒だったからであるが)、米国社会ではキリスト教、特にプロテスタントの存在が非常に大きい。宗教的な理由から進化論を否定する者が多く、「公立校で進化論を教えるなら創造科学も合わせて教えるべき」とするキリスト教系宗教団体が州の教育委員会を相手取り論争を起こした例が数件ある。
ギャラップ調査2007年5月の調査によると、アメリカ人は、「神を信じる」と答えた人が86%、「天国を信じる」と答えた人が81%という結果が出た。
教育
詳細は「アメリカ合衆国の教育」を参照
アメリカの教育の特徴は、個人の尊重とプラグマティズムである。
★治安
合衆国の犯罪発生率は、地域、州によって大きく異なる。例えば、凶暴犯罪(殺人、強姦、強盗、加重暴行)の2002年時点の発生件数をみると、人口10万人あたりの合衆国平均は495人だが、州ごとの分布はノースダコタ州の78人から、コロンビア特別区の1633人まで、20倍以上のばらつきがある。日本やイギリス、ドイツなどの他の先進諸国と比べて、都市部、地方にかかわらず銃や麻薬による犯罪が蔓延しているイメージがあるが、統計的にこれは誤りである。
アメリカ合衆国憲法修正条項第2条により民間人も自衛のために銃の使用が許可されている国(ただし、この条項は民兵の武装を認めているだけで、ごく普通の一般市民の武装について言及しているわけではない、という学説もあることに留意)とはいえ、街中に銃砲店が普通にあり比較的簡単に銃を、またスーパーマーケットでも実弾が購入出来るという現実は「銃社会」を助長させている。
歴史的な経緯から全米ライフル協会は強力な政治的発言力を持つ事実上の圧力団体であり、銃規制につながる立法を再三阻止している。なお、過去数度に渡り何人もの大統領が銃によって暗殺されているほか、銃犯罪による死者の数が、2000年以降に限っても毎年年間10,000人を大きく超えるなど、世界でも例を見ない「銃犯罪大国」である。
成年者による銃犯罪だけでなく、中学校や高等学校において生徒が銃を乱射し死傷者を出す事件が毎年のように発生する事態を招いている。このため銃を購入できる年齢を18歳から21歳に引き上げたり、一部の学校では校舎に入る際に金属探知機による保安検査を行ったりしている。しかし、それでもコロンバイン高校銃乱射事件やバージニア工科大学銃乱射事件など学内における銃乱射事件は防ぎきれていない。また、幼い子供が家族の所有する、安全装置を解除された銃で遊んでいるうちに誤って自分や友人、家族を撃ち殺してしまう事故も後を絶たない。
ギャングの抗争による殺人事件や人種差別を元にした殺人事件も多く発生する他、外国人観光客や駐在員、留学生などが犯罪に巻き込まれ死亡するケースが毎年のように起きているなど、銃による脅威を受けるのは一時滞在の外国人も例外ではないため、観光客の誘致にも悪影響を与えている。
近年では家庭内における暴力的・性的な過激シーンを含む映画・漫画・ゲームなどが未成年の子供に悪影響を与えているとして規制しようという動きもある。 なお2008年現在、同国は武器貿易条約を採択していない。
★所得格差・資産格差
他の先進国と比べて、所得税、贈与税、相続税(遺産税)率の累進性やキャピタルゲインへの税率が低く、資産格差を拡大させている。等価可処分所得を基にしたジニ係数は0.372(2004年、ルクセンブルク所得研究所調べ)で、主要先進国中最高である。
公的な国民健康保険制度が整備されておらず(クリントン政権時代に国民健保がヒラリー・クリントンによって提案されたが立ち消えになった)、大半の国民は民間の医療保険に頼っているが、近年では保険料が高騰し零細自営業者や中小企業に雇用されている労働者は良質の医療保険に入ることが大変難しく、約4700万人の国民が医療保険に入っていないといわれている。高額の保険料は米国の国際競争力にも悪影響を及ぼしている。しかし、オバマ大統領は国民皆保険を目指し、2009年以内の法制定を目指している。医療保険の恩恵を受けることのない低所得者層を中心に、ファーストフードの過剰摂取や運動不足、栄養学の知識の欠如により肥満になっている国民が先進国の中で最も多く(2003-2004年度には未成年の17.1%が太り気味で、成年の32.2%が肥満という調査結果が出ている)、社会問題化している。
クレジットカード会社による入会審査の基準が緩く、しばしば大学生などを対象に強引な勧誘が行われていることもあり、クレジットカードを入手するのが非常に簡単である。その結果、恒常的にカードローンに依存するワーキングプアが増えている。逆に然るべき期間のカード利用歴(クレジット・ヒストリー、信用情報)がないと商取引で信用されず、住宅を購入する際などに融資を受けられないことがある。
高度な学歴社会であり、アメリカン・ドリームを達成できるごく少数の個人を除いて職業や収入、社会的地位は学歴に大きく依存する。自治体の教育関係の予算は学区の税収と予算案に対する住民投票によって決定され、質の高い教育を提供できる教師の確保にも影響するため、公立学校の教育レベルは学区により大きな違いがあり、公立学校で良好な初・中等教育を受けるためには、都市圏の教育に関心が高い裕福層が住む地区に居住する必要がある。私立学校の入学金・授業料は非常に高額で、入学には親の社会的地位や学歴、家柄、寄付金も選考要件となる。低所得層の子女が私立学校に通学できるように教育バウチャーを支給している自治体もあるが、その効果は激しく議論されている。このように、良好な教育を受ける機会は親の収入・資産に依存しており、所得・資産格差が学歴社会を通して次の世代の所得格差に受け継がれることになる。
●文化
第二次世界大戦以前より今日まで、世界を席巻する主要な大衆消費"文化"の母国としてより強く認識されている。大量に供給され短期間に消費される音楽やテレビ番組、ハリウッド映画などの娯楽、自動車、ファストフードやコカ・コーラ等に代表される大量消費文化が、世界のどの国にもまして他国にも良くも悪くも影響力を及ぼし得る国である。
また、近年においては、国内において禁煙運動が進みタバコの消費量が減ったことから、アメリカのタバコ製造会社が、中南米や東欧諸国、中華人民共和国などの発展途上国を中心とした市場開拓を積極的に行っていることや、ナイキなどの大手衣類メーカーが製造コスト低減のために、同じく発展途上国において未成年の労働者を大量に使っていたことなどが大きな批判を浴びている。
また、これらの大衆消費文化は、多くの国で知識階層からは「低俗で画一的」として嫌悪されているものの、これらの娯楽・消費文化は、言葉どおり良くも悪くも経済活動と密接に繋がっているため、各国において消費意欲を喚起し、その結果アメリカ経済ひいては各国の経済を牽引する存在となっていることも事実である。
★先住民の文化
先住民はしばしば開拓者や建国初期のアメリカ人が新大陸で生き延びるのに多大な貢献をしてきた。ポカホンタス、スクァント(Squanto)、マサソイト酋長、サカガウィアらはアメリカの建国神話に欠かせない存在である。初期の開拓者の男性たちは未知の土地で生存するためにしばしば先住民のサバイバルの知恵を身につけた。彼らの中には先住民の女性を妻とした者が少なくなく、結果として多くのアメリカ人が先住民の血を引いている。
アメリカの重要な作物であるトウモロコシ、カボチャやウリ、インゲンマメは先住民族が昔から栽培していたものである。現代の防寒着アノラックやパーカは北極圏のイヌイットやエスキモーの防寒着を元にしており、カヤックやカヌーは現在でも先住民族の使っていたもののデザインを忠実に受け継いでいる。大平原の先住民族の伝統的な携帯保存食のペミカンは世界各国の南極探検隊にも採用された。 ニューヨーク州立大学バッファロー校のドナルド・A・グリンド・ジュニア博士(Donald A. Grinde Jr.)をはじめとする歴史学者らは、アメリカ合衆国の民主制度はイロコイ連邦の民主制度がモデルとなっていると主張している。
先住民族はしばしばアメリカのロマンティックなシンボルとして用いられてきた。先住民族に由来する名前は、アメリカの地名や野生動物の名称によく見られる。ニューヨークのタマニー・ホール(Tammany Hall)という民主党マシーンは先住民の言葉を政治に好んで用いた。近年になって差別的という意見が大多数を占めるまでは、大学や高校などがスポーツチームのマスコットに先住民族のキャラクターを採用することも珍しくなかった。
しかし先住民族の存在が国家の利益の障害であると見なされると、彼らの人権は近代化の名のもとに踏みにじられてきた。1960年代に入り、公民権運動を通して人種差別に対する国民の意識が高まり、心霊主義や環境主義に対する関心が高まってようやく、先住民族の文化が再評価されるようになった。
★食文化
詳細は「アメリカ料理」を参照
★世界の料理
アメリカの国民は先住民の他、世界各国からの移民とその子孫によって構成されているため、都市部では世界各国の料理やそれらをアメリカ風にアレンジしたものを気軽に楽しむことが可能である。イタリア料理や中華料理、メキシコ料理(テクス・メクス料理)などが非常にポピュラーなものとして日常的に楽しまれている他、1980年代以降は寿司や照り焼きをはじめとする日本料理が都市部を中心に人気を博しており、日本料理のレストランで食すことができるだけでなく、スーパーマーケットなどで豆腐や醤油、麺類などの食材を調達することも可能である。
★ファストフード
高度にマニュアル化されたファストフードチェーンにより提供されるハンバーガーやホットドッグ、タコスなどのファストフードや、冷凍食品などのインスタント食品が安価かつ手軽な事実上の「国民食」として広く食されているものの、脂肪分や塩分、糖分の多さなどから上記のように低所得者層を中心に肥満や心臓病などの原因となっており、これらのチェーン店の従業員の低賃金と合わせて深刻な社会問題となっている。
★ベジタリアニズム
社会的、宗教的および心霊主義的な理由からベジタリアニズムを奨励する運動は19世紀から存在したが、1960年代に環境主義や東洋思想への関心が国内で高まるのと同時にベジタリアニズムへの関心もかつてない高まりを見せた。現在、1%から2.8%のアメリカ人が肉、家禽、魚を全く食べないと回答している。普通米国でベジタリアンというと卵と乳製品は摂るオボ・ラクトベジタリアニズムを指すことが多いが、中には動物性の食品を一切摂らないヴィーガンもいる。ベジタリアンは西海岸と東海岸に比較的多く、中西部や南部には比較的少ない。また、ベジタリアンの人口は都市部に集中している。ベジタリアンが多い地域では、ベジタリアン向けの料理をメニューに明記しているレストランやベジタリアン料理専門のレストランも見られる。
アメリカ人の成人のベジタリアンを対象とした2002年のアンケート[35]によると、ベジタリアンになった最も大きな理由の内訳は「健康のため」が32%、「食肉に添加された化学物質やホルモンを避けたいから」が15%、「肉が嫌い」が13%、「動物が好きだから食べられない」が11%、「動物の権利のため」が10%、「宗教上の理由」が6%、「環境に配慮して」が4%、「減量のため」が3%、「世界の飢餓問題を解消するため」が1%だった。
★有機食品
近年、他の先進国と同じくアメリカ合衆国でも有機食品への関心が高まっている。アメリカ合衆国で生産される食料の約2%は有機農法に従って生産されている。アメリカ国内での過去10年間の有機食品の売り上げは年率20%の成長率を見せている。2005年の有機食品の総売上は128億ドルを計上した。 また、有機農法を用いている農地の増加率はアメリカが世界一である。
★メディア
新聞太字
全米で約1500紙が発行されている。但し、多くの地方紙の内容は市町村の広報紙やフリーペーパーレベルであり、大手紙からの転載が多い。USAトゥデイ(227万部)、ウォールストリート・ジャーナル(206万部)が発行部数2強と呼ばれる。ニューヨーク・タイムズ(112万部)、ワシントン・ポスト(69万部)、ウォールストリート・ジャーナルの3紙が全米で最も影響力のある高級紙とされる。1985年の総発行部数は約6000万部、2006年が5000万部である。人口1000人当たりの普及率は約270部で、先進国では最低レベルである。
アメリカの新聞発行部数ランキング(アメリカ新聞協会調べ、2006年1月〜2007年3月発行部数)
1.USAトゥデイ(ガネット) 227万部(前年同期比△0.2%増)
2.ウォールストリート・ジャーナル(ダウ・ジョーンズ; ニューズ・コーポレーション傘下)206万部(前年同期比△0.6%増)
3.ニューヨーク・タイムズ(ニューヨーク・タイムズ)112万部(前年同期比▼1.9%減)
4.ロサンゼルス・タイムズ(トリビューン)81万部(前年同期比▼4.2%減)
5.ニューヨーク・ポスト(ニューズ・コーポレーション)72万部(前年同期比△7.6%増)
6.ニューヨーク・デイリー・ニュース(ニューヨーク・デイリー・ニュース)71万部(前年同期比△1.4%増)
7.ワシントン・ポスト(ワシントン・ポスト)69万部(前年同期比▼3.5%減)
・USAトゥデイを発行するガネット社は、80以上の地方紙を傘下に納めている。USAトゥデイと合わせた総発行部数は700万部以上である。
★音楽
様々な国から来た移民たちが持ち寄った楽器やリズムを組み合わせ発生した、古くはカントリーミュージックやジャズ、近年ではロックンロールやヒップホップなどの様々なジャンルの音楽の発祥地、本場として知られており、世界的に著名なアーティストを多数輩出している。また、これらの音楽と踊りを組み合わせたショーであるミュージカルの本場としても有名である。
また、これらの音楽を楽しむためにレコードやジュークボックス、ドルビーやiPodなどの様々な音響機器、技術を生み出している他、MTVやクラシックチャンネルなどの音楽専用ケーブルテレビチャンネルも生み出すなど、音楽とその関連業種は現在においても大きな外貨獲得元となっている。
★アニメーション
ウォルト・ディズニーが創始したウォルト・ディズニー・カンパニーによる長編アニメーション映画が世界的に有名で、過去には世界のアニメーターの多くに影響を与えた。他にも、米国製テレビアニメーションザ・シンプソンズやファミリー・ガイ、サウスパークは日本でもテレビ放映されている。
ケーブルテレビにアニメーション専用のチャンネルがあり、日本製アニメも頻繁に放映されている。ポケットモンスターなどは低年齢の子どもを中心としての人気が吹き替え版が出回るほど非常に高く、また社会的にも受け入れられている。美少女戦士セーラームーンやドラゴンボールも過去にテレビ放映された。ただしサスペンス要素の高いものは、テレビ放映前に差し替えられたりカットされたりしている。日本のアニメは若年層を中心にファンが多く、ファンがサブタイトルをつけた米国未発表の作品の海賊版もネット上に出回っている。また、アニメを通して日本文化に興味を持つ若者も多い。
★スポーツ
詳細は「アメリカ合衆国のスポーツ」を参照
スポーツマンをアメリカ社会のメインストリーム(花形)と捉える国民性(ジョックも参照)もさることながら、学生スポーツにおいて季節ごとに行うスポーツを変えるシーズン制が定着していることなどから、国民が様々なスポーツに触れる機会が非常に多くなっており、アメリカ合衆国は世界最大のスポーツ大国となっている。娯楽産業に占めるスポーツ観戦の割合も高いため、複数の大規模なプロスポーツリーグが共存・繁栄している世界的にも稀な国である。
アメリカ国内発祥のスポーツが大衆的人気を得ているのが特徴で、アメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーは4大スポーツと呼ばれている。NFL(アメリカンフットボール)、MLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)の4大プロリーグはいずれも非常に人気が高い。これらのリーグは観客動員・収益共に莫大な数字であり、スター選手は高額の年俸を手にしている。日程上、常に少なくとも1つのリーグがオンシーズンになっているため、年間を通してスポーツ熱が高い。また、カレッジスポーツ(特にカレッジフットボールとカレッジバスケットボール)もプロリーグに勝るとも劣らない人気である。他にもプロレス(WWE)や総合格闘技(UFC)、モータースポーツ(NASCARやインディカー)、ゴルフなども人気が高い。
反面、サッカーや、フォーミュラ1、ラリーなど、欧州を中心に世界の広い地域で人気の高いスポーツが大衆的人気を得ていないのが特徴である。また、ラグビーやクリケットといったイギリス発祥のチームスポーツは全般的にマイナースポーツの地位に甘んじている。
競馬も非常に盛んでサラブレッドの生産頭数は世界一である。とくにケンタッキーダービーやブリーダーズカップ(BC)は有名である。(詳しくはアメリカ合衆国の競馬を参照。)
なお、近年はメジャーリーグやプロレス、モータースポーツなどで日本人選手が多数活躍しており、イチロー(シアトル・マリナーズ)に代表されるように、新人賞やその他の賞を獲得するほど活躍している選手も多い。
ハワイ州と西海岸を中心にサーフィンの人気も高い。特にカリフォルニアには良質の波がたつポイントも多く、多くのサーフィンインダストリーが点在している。
★科学技術
「アメリカ合衆国の技術と産業の歴史」および「アメリカ合衆国の建築」も参照
軍や軍需産業による先端技術開発への投資が活発な他、大学などの研究機関が行う各種研究に対しての企業による寄付なども盛んに行われていることから、先端技術や種々の学問においては世界的に見て1、2を争うものが多い。
また、第二次世界大戦前後、ユダヤ人であるためナチスに迫害を受けた(アルベルト・アインシュタインなど)、また祖国が戦火で荒廃した(フォン・ブラウン等)などの理由でヨーロッパの科学者や技術者が多くアメリカに移住したため、戦後はアメリカがヨーロッパに取って代わり世界の先端的な科学技術や学問の中心になった面もある。
アメリカの大衆・大量消費文化や、先端的な医療、軍事、航空宇宙、情報・通信(IT)などのテクノロジーは、保有する基礎科学・応用科学の力に支えられて実現しているものであり、現代の科学技術文明を牽引する主要な国家であることは特筆すべきことであろう。
アメリカはメートル条約に加盟しているが、自然科学の分野以外ではヤード・ポンド法が広く用いられている。ヤード・ポンド法を現在も使用している国はリベリア、ミャンマーとアメリカだけである。ジェラルド・フォード政権下の1975年にメートル法移行法(Metric Conversion Act)が可決されたが、ロナルド・レーガン政権が発足すると移行政策は頓挫した。市販される商品のパッケージなどには、ヤード・ポンド法とメートル法の並記が普通に行われている。航空分野などのアメリカが強い力を持つ産業分野では、国際的にもヤード・ポンド法を用いて計量することが多い。
●祝祭日
アメリカ合衆国の祝祭日は、州によって異なる。下記は最も一般的な祝祭日を記載したものである。日本における祝祭日と比べると必ずしも全ての祝祭日が休日となるとは限らない傾向にある。
祝祭日に関しては、こちらを参照して下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD
●関連項目
・アメリカ合衆国関係記事の一覧
・アメリカ合衆国の地方行政区画
・アメリカ合衆国51番目の州
・アメリカ合衆国大統領
・CIA (中央情報局)
・NSA (国家安全保障局)
・FBI (連邦捜査局)
・北大西洋条約機構
・北米自由貿易協定
・全米ライフル協会
・アメリカの人権と人権政策
・アメリカ合衆国の人種差別
・イロコイ連邦
・汎アメリカ主義
・アメリカ帝国
・パクス・アメリカーナ
・覇権主義
・死の部隊
・ハクトウワシ(国鳥)
・メリカ合衆国の首相
●脚注
1.a b c d IMF Data and Statistics 2009年4月27日閲覧([1])
2.小麦粉はメリケン粉とも呼ばれるが、これも同様に"American"に由来する
3. 中国語での正式な表記は美利堅合眾國であり、日本語の「合衆国」の表記と同じである
4. 憲政の政治学 坂野 潤治・小林 正弥・新藤 宗幸 (編集) 東京大学出版会 2006/01 ISBN 4130301381
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35. TIME/CNN POLL: Reasons for choosing a vegetarian lifestyle [4]
36. Organic Farming Research Foundation - About Organic | Frequently asked questions about organic food and farming
37 [5][リンク切れ]
38. サッカーは子供にはポピュラーなスポーツであるが、成長するにつれて4大スポーツに人気を奪われてしまう。一方女子サッカーは男子サッカーよりも人気がある。高校、大学には女子フットボールのプログラムが無いためか、女子プロサッカーおよびサッカー選手は男子よりも評価が高い。また、男子サッカーアメリカ代表はFIFAランキングで上位にランクされている
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